平成20年7月


〈千金丹とその容器
 2年前に123号で琴平町の松島琴松堂の千金丹製造の押型を紹介した。
 今回は前号に登場した六神丸を提供していただいた帝國製薬(株)の前進、赤澤寿世堂の赤という字が浮かんでいる千金丹とそれを入れた木製の容器である。
容器には千金丹という紙が張られている。
 香川県では明治中頃からあちらこちらで千金丹が作られ、明治末期に成熟し、売薬のブランド品の地位を築いた。全盛の大正時代から昭和初期にかけては、全国的に展開されたその行商スタイルは「讃岐の千金丹売り」として有名であったという。
 赤澤寿世堂は、やや遅れて明治39年から千金丹作りを始めたが、3年後には大阪の薬種貿易商を通じてジャワの小川洋行に千金丹を輸出し、たちまち中国、シンガポール、バンコク、インドなど東南アジアまでに販路を広げた。
(増井武彦 記)

千金丹を印刷した版木