平成20年4月


〈六神丸
 前号128号で紹介した赤澤寿世堂の薬売りの洋傘に書かれていた「六神丸」の薬袋と小粒の六神が入った小瓶である。説明書によれば14粒入りで1円、225粒で10円、成人は一日1回10粒を白湯に溶かして飲むとある。相当高価であったと思われる。また、主治・効能は熱病、肺病、心臓病、コレラ、ペスト、乳がん、腫れ物、下痢、時邪(はやりかぜ)などと書かれている。赤澤忠太郎が明治45年5月28日に特許局長に出した「虔脩六神丸」の薬袋の商標登録願が現存する。
 明治33年に滋賀県で国産として製造され始めた六神丸は、中国伝来であった。 赤澤寿世堂の六神丸も清國蘇州電允上大先生創製とあり、源流は同じである。他の六神丸の処方から見ると、ゴオウ(牛黄)、センソ、ジャコウ(麝香)など六種が処方されていたと思われる。万能薬であったことからか、最盛期は国内100社以上で製造され、処方内容が変更されているが、今も健在で市販されている六神丸がある。
(増井武彦 記)
六神丸を両手で支えた70cmの瓦製シンボル。
これが創立時の帝國製薬社屋の正面玄関屋根
に飾られていた。