平成16年7月

 讃岐売薬の全盛時代と言われた大正年間から昭和初期にかけて、讃岐の千金丹は全国津々浦々に繰り出された。その売薬行商人は、種々の趣向を凝らした風体と売り声は世人の人気を博した。千金丹は岡内喜三が明治22年に千金丹を始めた一種の清涼整腸剤であった。その後、10社以上の製造所が讃岐の千金丹をつくった。その処方内容は各社各様であった。
 岡内勧弘堂では最盛期には千人もの売り子が、写真に見られるように千金丹、製造所岡内、などが派手に書かれたこうもり傘をさして、独特のかばんを肩にかけ、北海道から朝鮮半島まで行商したという。(増井 武彦 記)